情報の嵐2



記事転載で申し訳ない。読売新聞の記事です。今日は時間がないのでご勘弁を。

■危ういネット会話…小学生、中傷合戦からいじめへ

 東北、北陸地方で今年初め、小学生同士がネット上の書き込みを巡ってトラブルになり、いじめにまで発展したケースが2件あったことが3日、わかった。長崎県佐世保市の大久保小で6年生の御手洗怜美(みたらい・さとみ)さん(12)が首を切られ死亡した事件でも、補導された女児(11)は動機について「ネットに嫌なことを書かれた」と話している。教育現場の対応は追いついておらず、専門家の間では、顔の見えないコミュニケーションの危うさが指摘されている。

 群馬大社会情報学部大学院研究科の下田博次教授によると、ネット上の書き込みがトラブルに発展したケースのうちの1件は、佐世保の事件同様、小学6年生の女子児童たちによるものだった。

 数人がホームページを開設し、同じクラスの好きな児童や嫌いな児童の名前、少女雑誌を読んだ感想などを書き込んでいるうち、互いを中傷するような言葉が飛び交うようになった。

 女児の1人が学校で、顔を合わせても無視されるなどのいじめを受けたため、母親から相談を受けた下田教授は、娘に書き込みをやめさせるようアドバイスした。その結果、いじめは止まったという。

 もう1件も女子児童間のトラブルで、そのうちの1人がいやがらせを受けるなどしていた。

 「米国で行われているように、日本でも親が子どもにパソコンや携帯電話を買い与える際、ネットが持つ危うさをもっと教えるべきだ。本気で対策に乗り出さないと、(佐世保と)同じような事件がまた起こりかねない」と、下田教授は話している。

 パソコンは文部科学省の方針で、近年、小学校にも急速に普及してきた。総合的な学習の時間にパソコン指導などの「情報教育」を行っている公立小は、全国ですでに6割に上る。

 こうした中、掲示板で相手に意味不明な情報を一方的に送りつける「ネット荒らし」を体験学習させたり、ネット上のマナーを学校独自に定めたりしている小学校も出てきたが、ネットのマナー教育は「全体的にはまだまだ不十分」(文科省)なのが実情。事件が起きた大久保小でも、道徳の時間に「ネット上で人を中傷してはいけない」と指導している程度だったという。

 甲南大法科大学院園田寿教授は「会って話せば、表情や身ぶりから、相手の真意を測れるが、文字だけのネット上のコミュニケーションは、表現が稚拙だと、感情の行き違いが生じやすい」と指摘している。

(読売新聞)[6月4日3時5分更新]